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はじめに(1/3)

「いそがしい」「時間がない」のは、仕事を先延ばしにしている証拠。
「今すぐ」「キッパリ」「シンプル」。3つのルールで、仕事を前倒しで片づける。


 この本は、「いそがしい」「時間がない」「仕事が終わらない」が口グセで、毎日の仕事や勉強に追い立てられている人に読んでもらいたい本です。
 あなたの身の回りにも、このような人はたくさんいるはずです。「時間がない」と言う人たちに共通する特徴は、次の3つです。

①いつも仕事を後回しにして、期日ギリギリになってから始める。
②「これで仕事は完了」という明確なゴールラインを決めていない。
③必要以上に考えすぎて準備や整理に時間がかかり、頭の中と机の上が大混乱。


 私は、出版社に勤務するサラリーマンとして、約20年間にわたって雑誌記者や書籍編集者の仕事を続けてきました。打ち合わせや原稿の締め切りに追われ、年間20冊という書籍発行点数のノルマを抱える全力疾走の毎日です。それと同時に、会社での勤務が終わると別の出版社からの依頼を受け、フリーライターとして雑誌やムック、単行本の原稿を書き続けました。この20年で多数のパソコン誌やビジネス誌に寄稿し、著書は70冊(共著を含む)を超えています。サラリーマンとして、フリーライターとして、両方とも「フルタイム」で働いてきたわけですから、一般的なビジネスマンの2倍以上のいそがしさです。
 ある雑誌の編集者が、こう言いました。

「中井紀之さんは、本当は3人いるんですよね? 朝から晩まで会社で働いているサラリーマンの中井さん、出版社を駆け回って打ち合わせをしている営業マンの中井さん、一日中部屋にこもって24時間原稿を書き続けているライターの中井さん。3人いないと、こんなに仕事ができるわけがない!」

 私が2つの仕事を両立するうえで心がけてきたのは、次の3つのルールです。

①先延ばしにする言い訳を考えないで、今すぐ始める。  = 「今すぐ」
②期日に遅れない。早く終わらせてその仕事を、忘れる。 = 「キッパリ」
③机の上を「頭の中」だと思って、整理する。      = 「シンプル」


 「そんなことができたら、誰も最初から苦労しないよ」と思う人がいるかもしれません。でも、この3つのルールを実践するのは、実は簡単です。小学校の「夏休みの宿題」を早く終わらせる要領と同じなのです。


「前倒し」仕事術!
 中井紀之・著 朝日新聞出版 1500円+税
 ISBN978-4-02-330801-5
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テーマ : 新刊・予約
ジャンル : 本・雑誌

はじめに(2/3)

デッドラインを「前倒し」にすれば、
「夏休みの宿題」はすぐ終わる。


 仕事を早く終わらせるコツは、小学生の頃の「夏休みの宿題」と一緒です。誰でも「夏休みの宿題を早く終わらせて、あとは思う存分、毎日遊んで暮らそう」と決心したことがあるはずです。
 しかし残念ながら、実際にはこうでした。初日はヤル気まんまんで宿題に取りかかり、最初は順調なペースで進むかもしれません。ところが苦手科目の課題や自由研究が残ると、「思うように進まなくて面倒くさい」「時間をかければもっといいアイデアが浮かぶかも」「夏休みはまだあるから」と、つい先延ばしにしてしまいます。結局は「明日から2学期」という夜になって苦手科目の宿題が終わり、自由研究は「まあ、このぐらいでいいか」という中途半端な気持ちを残してながらギリギリセーフで間に合います。
 これでは、せっかくの夏休みがもったいない。夏休みの間ずっと、「早く宿題を終わらせたい」「でも、まだ終わっていない」「あぁ、どうしよう」というモヤモヤした気持ちのまま過ごすことになるからです。
 夏休みの宿題を先延ばしにしてしまう一番の原因は、「宿題の提出期限が、1カ月以上も先にあること」です。夏休みの宿題なんて、本気で取り組めばせいぜい1週間で終わる内容です。実際には、ほとんどの人が「最後の数日」で宿題を一気に仕上げているはずです。「まだ夏休みは始まったばかりで、時間は十分にある」という気の緩みのせいで、夏休みの「最後の数日」になるまで、宿題に真剣に取り組めないのです。
 こうならないために、どうすればいいのか。
 宿題の提出期限を、夏休みが終わって登校する「9月1日」ではなく、夏休みが始まって1週間後の「7月31日」に設定しましょう。自分で勝手に期日を決めて、担任の先生に「7月31日に宿題を提出します」と宣言するのです。
 夏休みが始まったら、すべての宿題を1週間で仕上げて、本当に7月31日に学校に届けることが目標です。担任の先生が学校にいなかったら、職員室にいるほかの先生に預けて机の上に置いてもらいましょう。提出さえしてしまえば、夏休みの宿題は「完了」です。
 ここで大切なのは、本当に提出することです。提出すれば、手元には何も残りません。見直したり修正することは不可能です。こうして8月はまるまる1カ月間、宿題のことを忘れて楽しめます。
 これが「前倒し」の基本的な考え方です。


「前倒し」仕事術!
 中井紀之・著 朝日新聞出版 1500円+税
 ISBN978-4-02-330801-5

テーマ : 新刊・予約
ジャンル : 本・雑誌

はじめに(3/3)

ウサギの「スピード」と、カメの「着実さ」があれば、
仕事も人生も、「前倒し」でどんどん楽しめる。


 ずっと先にある期日に縛られ、その期日を気にしながら「まだ仕事が終わらない」「どうしよう」という荷物を背負い続けるのは苦痛です。どうせ同じ仕事をするなら、期日までの時間をできるだけ短く設定して早々に仕事を切り上げ、「はい、これで完了」にするほうが、はるかにラクで気持ちがいいはずです。
 仕事の期日を自分でどんどん早めて、自分にプレッシャーをかけながら仕事を前倒しで進めましょう。同じ仕事をするときでも、いつ終わるのかわからない「無期懲役」、モヤモヤした気分が1カ月間続く「懲役1カ月」より、終わりがすぐ近くに見える「懲役3日」のほうが、ヤル気が出ます。ずっと快適です。さらに一歩進んで、「もっとスピードアップして早く仕上げるには、どうしたらいいだろう」と、仕事の方法を工夫したくなったらしめたものです。これが、私が実践している「前倒し仕事術」です。
 イソップ童話の「ウサギとカメ」では、ウサギは「スピードはあるけど、途中で油断する愚か者」、カメは「ゆっくりだけど、最後まで着実で手を抜かない賢者」として描かれています。「前倒し仕事術」が目指しているのは、このウサギの「スピード」だけではありません。ウサギの「スピード」とカメの「着実さ」、つまり両方の「いいとこ取り」で仕事をどんどん片づけて、気持ちをラクにすることです(詳しくは第2章で)。
 誰でも、何かを始めるときにグズグズして動き出せなかったり、(私の夏休みの宿題がそうだったように)ゴールに着く前に怠けて結局遅くなってしまったという経験があるはずです。そんなときこそ、①今すぐ、②キッパリ、③シンプル、という3つのルールを実践し、凡百のウサギやカメの状態から抜け出しましょう。
 本書では、私が今まで「サラリーマン+フリーライター」として実践してきた仕事術や時間管理法を、具体例をあげながらできるだけわかりやすく説明するつもりです。「先延ばし」をやめて仕事を前倒しで終わらせ、自分の趣味や楽しみも前倒しでいち早く実行する。こうすれば1日24時間が充実し、人生はもっともっと楽しめるはずです。


「前倒し」仕事術!
 中井紀之・著 朝日新聞出版 1500円+税
 ISBN978-4-02-330801-5

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ジャンル : 本・雑誌

著者プロフィール

nak365

中井紀之(なかい・のりゆき)

 大手出版社に勤務し、パソコン雑誌記者、ビジネス書籍編集者として20年以上にわたって活躍。「年間20冊の単行本刊行ノルマ」をこなすスピード編集者として数々のベストセラー本を世に送り出してきた。
 昼はサラリーマンとして全力疾走すると同時に、夜と休日は「フリーライター=中井紀之」として、得意分野であるパソコン/IT/デジタルAV機器関連の雑誌記事や連載、ムック、書籍を多数執筆。この20年間で著書は70冊(共著を含む)を超え、近年は新聞やビジネス誌へも寄稿の場を広げている。

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